飲食店で年収を上げるためには? 平均年収と給料を上げるポイントを紹介
2023年1月6日
目次
飲食業界に魅力を感じたり、自分が作った料理でお客を幸せにしたいなどさまざまな目標を持って飲食店に就職した人は多いと思います。しかし飲食店で働いている人の中には「もう少し給料が上がったらいいのに」と思っている方も少なくありません。
この記事では、飲食店の平均年収、月収・手取りと給料を上げるポイントについて紹介します。
飲食店の給料特徴
飲食店の給料は、他の業種と比較するとどのような違いがあるのでしょうか。厚生労働省が令和3年に公表した「賃金構造基本統計調査」によると以下のような年収分布になります。
業種 | 平均年収 |
宿泊業・飲食サービス | 257.6万円 |
医療・福祉 | 291.7万円 |
製造業 | 294.9万円 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 419.7万円 |
全業界の中で平均年収が最も高い電気・ガス・熱供給・水道業の419.7万円とは、150万円以上の大きな差がありました。
飲食店の給料事業
飲食店に勤める社員の平均年収とボーナスについて、規模別・年齢別に紹介します。
飲食店の平均年収・ボーナス
従業員の数が50人以下を小企業、100人以下を中企業、100人以上を大企業ごとに分けた際の平均年収の違いは、以下の表になります。
飲食店社員の規模別平均年収
規模 | 平均年収 | ボーナスの有無 |
小企業 | 279.9万円 | 支給されない企業あり |
中企業 | 299.8万円 | 支給されない企業あり |
大企業 | 339.7万円 | ボーナスあり |
ボーナスについては企業規模や年齢により支給額が異なりますが、正社員であれば年2回(6月・12月)に支給されることが多いです。大企業以外では、雇用形態に関係なく支給されないことが多いのが現状です。また福利厚生についても、中小規模の飲食店に比べると大手飲食業界の方が充実していることがほとんどです。
一方飲食店に勤める社員の平均年収は、257.6万円で年齢による違いはほとんどありません。業界全体での2022年の30代平均年収は435万円であることを考慮すると、飲食業の平均年収が低いことが顕著になります。
飲食店社員の年齢別平均年収
年齢 | 平均年収 |
20〜24 | 195.8万円 |
25〜29 | 226.1万円 |
30〜34 | 244.6万円 |
35〜39 | 266.3万円 |
40〜44 | 288.8万円 |
45〜49 | 292.3万円 |
50〜54 | 292.9万円 |
55〜59 | 287.7万円 |
60〜64 | 246.6万円 |
65〜69 | 207.7万円 |
飲食店の平均月収
厚生労働省が令和3年に公表した「賃金構造基本統計調査」をもとに平均月収を算出すると以下の表になります。
飲食店社員の平均月収は、約16〜24万円前後が多いのが現状です。年2回ボーナスが支給されていることを考慮すると、実際の月収・手取りはもう少し低くなることがわかります。
飲食店社員の平均月収
年齢 | 平均月収 |
22〜24 | 16.3万円 |
25〜29 | 18.8万円 |
30〜34 | 20.4万円 |
35〜39 | 22.2万円 |
40〜44 | 24.0万円 |
45〜49 | 24.3万円 |
50〜54 | 24.4万円 |
55〜59 | 23.9万円 |
60〜64 | 20.5万円 |
65〜69 | 17.3万円 |
飲食店の初任給
これから飲食店で就職したいと考えている方は、気になるのが初任給だと思います。初任給については、大手飲食業界と中小規模の飲食店では差があることが多いです。学歴(学部卒:22万円前後、院卒:24万円程度)により異なりますが、大手飲食業界での正社員の初任給は22万円前後の企業が多いです。
一方中小規模の飲食店の月収については、知名度や売上などにより17〜22万円程度になり大手飲食業界と比較して大きな差が生じます。入社後のミスマッチを防ぐため、就職前に募集要項を細かく確認したり気になる点は担当者に聞いたりすることが大切です。
飲食店で給料を上げるポイント
飲食の仕事は好きでやっているが、給料が上がらないという不満を抱えている人も少なくないのではないでしょうか。家族にもっと豊かな生活をさせたい、将来に向けて貯金をしたいなどの理由から給料を上げたい方も多いと思います。
飲食店社員が今よりも給料を上げるためのポイントを3つ解説していきます。
スキルを上げる
現在働いている飲食店で、勤務しながら給料を上げる方法として、今よりもスキルを上げることです。
資格として、一般社団法人「日本ソムリエ協会」が主催している酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、製造、教育機関講師が学べるソムリエを取得するのも良いでしょう。また特定非営利活動法人「日本フードコーディネーター協会」が主催しているフードコーディネーターで食の理解を深めるのもおすすめです。
資格を取得して自分の知識・技術力を証明することで、昇給が狙える可能性があります。しかし企業によって評価方法が異なるため、就職前に確認しておくことが大切です。企業や職種により異なりますが、接客時の明るさ、即戦力、数値分析力、コミュニケーション能力、チーム力、柔軟性などを重視している企業も多いです。
転職する
現在勤めている企業での昇給が難しい場合は、より高収入が狙える大手飲食企業や他業種への転職を検討してみることをおすすめします。
技術力・サービス力により異なりますが、居酒屋やダイニングバーなどを展開している企業は比較的給料が高くなる傾向があります。次いで和食、洋食(イタリアン、フレンチなど)が続きます。お酒を中心に提供している飲食店は、利益率が高いことや深夜手当がつくことなどが高収入につながる要因として考えられます。
少しでも高い給料を得たい方は、お酒を専門的に扱う飲食店への転職を考えてみてはいかがでしょうか。
しかし給料の高い飲食店でも大手飲食業界の場合は、店長やエリアマネージャーなど役職によって給料が異なることもあります。大手飲食業界であれば、必ず給料アップが見込めるわけではないため、転職前に募集要項や実際に働いている社員の口コミなどを参考にしながらリサーチすることが大切です。
認知度の高さなどによっては、中小規模の飲食店の方が高い給料がもらえることもあります。
独立する
独立して個人店を経営すれば得た利益が直接自分の手取りとなるため、現在よりも高収入が狙える可能性があります。売上によっては会社員の時よりも給料が上がる可能性もあるため、実務経験を積み重ねてスキルを磨いたり、事前に経営に向けた準備を万全にしておきましょう。個人経営では、食へのこだわりと魅力が多くの人から評価され、テレビなどさまざまなメディアで取り上げられれば、さらに客足が増えて年収1,000万以上が実現できる可能性もあります。
例えば、個人経営酒場の「板橋・SHOWA」はコストパフォーマンスの良さが評価されました。当社は多くのメディアに取り上げられたことにより、個人経営酒場人気ランキング1位を獲得しました。
まとめ
ここまで飲食店社員の給料事情(平均年収・ボーナス月収、手取り)や給料を上げるためのポイントなどについて詳しく解説しました。
飲食業界の給料は、他業界に比べて低水準になります。そのため飲食が好きでやりがいを感じていても、給料に関する悩みを抱えている人は少なくありません。
飲食業に携わりながら今の給料をあげたいという方は、スキルアップやより規模が大きい企業または給料が高いジャンルを扱う飲食店への転職、独立して個人店を経営するなどの行動を起こすことが大切です。
どのような選択をする場合でも給料アップという目標を達成するためには、日々向上心を持って業務に取り組み経験とスキルを高めていくことが何よりも近道と言えるでしょう。