調理師の給料・年収はどれくらい? 手取りを高める方法も紹介
2022年9月30日
目次
調理師を目指している方の中には、年収や給料、手取りなどが気になっている方が多いでしょう。
今回は、調理師の年収や給料、手取りなどの情報を求人情報サイトや口コミ、転職サイトなどをリサーチしてまとめてみました。
調理師の給料相場を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
調理師の給料
求人情報サイトのデータをもとに、調理師の給料相場を全国・地域別に考察していきます。
調理師の給料と一般職の給料について
求人情報サイト「求人ボックス」の求人統計データ(2022年9月時点)では、調理師(正社員)の年収は約333万円であり、給料は月給で換算すると28万円ほどです。
国税庁長官官房企画課が公表している「民間給与実態統計調査 令和3年9月」では、1年を通じて勤務した給与所得者1人あたりの年収は433万円と報告されています。
したがって、調理師の年収は相場よりも低いので、給料も低い可能性があるとわかります。
調理師の給料を地域別に見る
同サイトのデータをもとにエリア別の平均年収をまとめてみます。
エリア | 年収 |
北海道・東北 | 296万円 |
関東 | 332万円 |
甲信越・北陸 | 318万円 |
東海 | 332万円 |
関西 | 333万円 |
中国 | 307万円 |
四国 | 297万円 |
九州・沖縄 | 290万円 |
関東や東海、関西などの平均年収が比較的高く、給料も高い可能性があるとわかります。
調理師の雇用形態別の給料
同サイトのデータをもとに、雇用形態別の給料も比較してみます。
なお、アルバイト・パート、派遣社員の給料は、週5日・8時間の勤務を想定して算出しました。
雇用形態 | 年収・ 時給 | 給料(月給) |
正社員 | 333万円(年収) | 約28万円 |
アルバイト・パート | 992円(時給) | 約16万円 |
派遣社員 | 1,212円(時給) | 約19万円 |
正社員の給料が20万円を超える一方で、アルバイト・パート、契約社員の給料は20万円を下回っています。
調理師と関連する職業の給料
調理師の資格に関連する職業はさまざまあります。
厚生労働省の職業情報サイトjobtagを参考にして、調理師に関連する惣菜製造や西洋料理調理人、フードコーディネーターなどの年収・給料もまとめてみます。
職種 | 年収 | 給料 |
惣菜製造 | 341.3万円 | 20.4万円 |
西洋料理調理人 | 332.9万円 | 22.8万円 |
フードコーディネーター | 584.4万円 | 25.9万円 |
フードコーディネーターが最も給料が高いことがわかります。
調理師の給料に関する口コミ
調理師の給料や手取りをリアルに把握するには、現場の口コミが参考になります。SNSでリサーチした調理師の給料や手取りに関する口コミの要点をまとめてみます。
口コミ1.調理師は、重要な仕事のわりに給料が低い
調理師は命に関わる重要な仕事なのに注目されず、給料が安いと感じている方がいました。
責任の重さに見合わない給料で働くことになってしまう場合があるようです。
口コミ2.調理師の給料では、貯金するのが難しかった
30歳で調理師を務めていた方が、手取り12万円で貯金ができず、生活が大変だった過去を明かしていました。
結婚できるイメージも湧かなかったことから、最終的に別の職種に転職しています。
口コミ3.調理師の給与は、手取り15万以下がほどんど
調理師の手取りは15万円以下がほとんどだと嘆く声もありました。実際に、手取り10万円で働くシングルマザーの方も見受けられました。
調理師は国家資格なので、給料が高いのではないかと思う方もいるかもしれませんが、現実は甘くないようです。
求人から見る調理師の給料
調理師の求人では、具体的にどれくらいの給料が提示されているのでしょうか?
一般的な転職サイトで掲載されていた求人をもとに、調理師の給料、年収とともに仕事内容や必要なスキル、経験、資格などをご紹介します。
なお、参考にした求人は2022年9月時点で確認できた内容にもとづきます。
仕事内容 | 必要なスキル、経験、資格など | 給料 | 予定年収 |
・中高齢者専門マンション内レストランにおける調理(朝食、昼食、夕食) ・献立会議への出席 |
・調理師免許 | 月給200,000円~250,000円 | 330万円~400万円 |
・おかずの調理(煮物、焼き物、揚げ物、味付けなど) ・調理経験 |
・調理経験 ・調理師免許 ・普通自動車第一種運転免許 |
月給320,000円~ | 450万円~ |
・有名ホテルで調理を担当 ・季節ごとに厳選された食材をもとにメニューを立案 |
・調理経験がある方 | 月給280,000円~350,000円 | 340万円~400万円 |
管理職候補や有名施設の求人だと、給料と年収が高くなる可能性があるとわかります。
調理師の手取りを高めるポイント
ここまで、さまざまな情報をもとに調理師の給料をご紹介しましたが、世間的には低めであることがおわかりいただけたでしょう。
ただ、調理師の手取りは工夫と努力によって高めることが可能です。引き続き、調理師の手取りを高めるポイントをお伝えします。
ポイント1.調理師として、有名店に転職して手取りを上げる
有名店では、料理のクオリティを維持するために、待遇の改善に取り組むケースがあり、給料が高くなる傾向にあります。
たとえば、ミシュラン1つ星を獲得した有名店の求人では、給料の上限額が50万円として提示されていました。
腕に自信がある方は、知名度の高いオーナーシェフが在籍している有名店などへ、転職を検討してみるとよいでしょう。
ポイント2.調理師として、キャリアアップを目指し手取りを上げる
調理師はキャリアアップによって手取りを高められます。
たとえば、副料理長や料理長などのポジションに対して、年収を500万円~600万円ほどに設定している求人もあります。
したがって、調理師の手取りを増やしたいのであれば、各調理場でリーダーを目指すことが重要です。
当然、調理技術を磨くだけでは、責任のある立場は任されません。
厨房の活気を高めるコミュニケーション力や、予算内でクオリティの高い料理を提案できる発想力など、リーダーに求められるスキルを磨いていきましょう。
ポイント3.転職エージェントを利用して、調理師のまま手取りを上げる
転職して待遇のよい職場に移れば手取りを高められます。しかし、転職に失敗してしまうと、手取りが下がってしまうケースも珍しくありません。
少しでも転職の失敗に不安があれば、転職支援のプロである転職エージェントの利用も検討してみましょう。転職エージェントでは、キャリアコンサルタントがスキルや経験をヒアリングして、求職者の市場価値を判定します。
市場価値にもとづき、手取りを高められる可能性が高い求人を紹介してくれるので、転職で失敗するリスクも減りやすいです。
基本的に無料で利用できるサービスなので、給料が低くて悩んでいる調理師の方は、気軽にサービスを利用してみるとよいでしょう。
調理師の給料をリサーチしたまとめ
今回は、調理師の給料や年収、手取りなどについて、求人情報サイトのデータやSNSの口コミ、転職サイトなどをリサーチした結果をお伝えしました。
調理師の年収は相場よりも低く、給料が低い可能性があります。実際にSNSで確認できた口コミからは、「重要な仕事なのに手取りが低い」と嘆く声が見受けられました。手取り10万円で働く方がいることに驚いた方もいたのではないでしょうか。
ただし、調理師の給料が必ずしも低いとは限りません。有名店に転職したり、料理長を目指したりすれば高められる可能性があります。
なお、転職に失敗してしまうと手取りが減ってしまうリスクもあります。少しでも不安があれば、転職エージェントの利用も検討してみてください。